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新潟B級遺産

紅葉の名所に潜む、粋な侠客の人情伝説

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人面岩(上越市)

人面岩

中静(以下、中) 最近ようやく秋っぽくなってきたな。紅葉でも見に行こうよう…なんちゃって!
御満悦(以下、御)のっけからダジャレですか…。では、上越市牧区の牧峠はいかがですか? 美しい紅葉以外にも見どころがあるんですよ。峠の中腹に、なんと人面岩があるんです!
人面魚や人面犬は昔にハヤッたが、人面岩は初耳だな。しかも見る角度も指定してるし(笑)。
しかもその顔は、ナント江戸時代を代表する狭客・国定忠治なんです! 似てるかどうかは、今となっては分かりませんが…。
…この岩を見る限り、忠治さんは随分、タレ目だったんだな(笑)。
国定忠治といえば、浪曲などでの「赤城の山も今宵限り…」という決めゼリフが有名ですよね。実は幕府の役人に追われる最中に、この峠を通ったそうなんです。
へぇー。でもなぜ岩に忠治さんの顔が浮かび上がったんだ?
実はこんな逸話が残されています。ある雪の日、炭焼き職人の家に旅芸人の一座が一夜の宿を求めてやって来ました。快く迎え入れた職人の家には娘がいるんですが、凶作に苦しむ家を養うために奉公に出されるというのです。
かわいそうな話だな。
それを聞いた一座の親分は自分の身分を明かし、村で賭場を開いてくれと申し出ました。そこで忠治はわざと大負けするのです。
村の人にお金を渡すためか。
粋ですよねぇ。追っ手が迫ることを知った忠治は村を後にしますが、村人たちは峠の頂上まで送り、今生の別れを惜しんだとさ…。
イイ話なのは分かったけど、それと人面岩の因果関係は?
あぁそれは、彼らを送った峠道にある大岩が、気付けば忠治の顔に見えてきたんですって。

オイッ! 取って付けた感が満載じゃないか!
まぁ夢のある話だからイイじゃないですか。じゃあ登録で!
コラッ、逃げるな、待て〜。

(2012年WEEK!10.05号掲載)

人面岩
上越市牧区上牧

美しい紅葉で知られる牧峠の中腹にある岩。道中には国定忠治伝説に関する資料を展示する、「上牧歴史民俗資料館」もある。

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