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飲めばたのしい この日本酒

丁寧な造りが生む、飲むほどに増すうま味

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今回は糸魚川市にある猪又酒造を紹介する。

創業は1890年。高さ80メートルといわれる巨岩と、咲き乱れる藤の花が夜空を覆い、美しい月を藤が隠してしまう…。そんな様子から、月の見えない池「月つ きみずのいけ不見の池」と名付けられた蔵近くの名所に、看板銘柄は由来している。

「先代から守り続けているのは、『普通酒こそ良い酒を』ということ。普通酒を飲めば、その蔵の思いが分かります。コストはかかりますが、原料にこだわり、手間をかけて味わいの良いものを、と酒造りに臨んでいます」と話すのは、猪又哲郎代表取締役。

だからこそ、蔵を訪れる人々に猪又氏は、「普通酒 月不見の池」を飲んでもらうよう勧めるのだと話す。

「この酒の精白は60%。ひと口目は、穏やかな印象かもしれませんが、杯を重ねるごとに、五百万石ならではの、米のうま味を感じられるようになる酒です」(猪又氏)。

決して華やかでも、驚くような個性があるわけでもない。

「毎日楽しむための酒と考えると、飲み飽きしない味わいがやはり良いと思います」(猪又氏)。

また、コジマの体験では、多くを一晩で飲んでも、丁寧な造りが生む高い酒質のおかげで、翌日に酒が残るということも少なかった。

「県内出荷の約8割は地元消費」と、猪又氏は話す。

小さな造り酒屋が醸す晩酌酒となれば、地元消費が多くなるのも必然だろう。しかし、ひと口飲めば分かる出来の良さ。もっと多くの人にその味を楽しんでもらいたいと思わせる酒を、じっくりと手をかけて守り続けている。

(2012年WEEK!11.16号掲載)

猪又酒造 普通酒 月不見の池(ふつうしゅ つきみずのいけ)

◎注目の一本!

普通酒 月不見の池(ふつうしゅ つきみずのいけ)

720ml/777円 1.8L/1,837円

五百万石を吟醸酒並みに磨き、仕込んだ普通酒。この高精白と丁寧な手造りのおかげで、さらりとした切れ味の良い酒に仕上がっている。

飲み方/冷や、常温、ぬる燗、ロック

一升瓶で2,000円を切る定番酒は、幅広い温度で楽しめる。味わいに膨らみが増すぬる燗、辛口特有のキレの良さを楽しむ冷や、好みを探すのも一興だ。

猪又酒造 純米大吟醸 邂逅 思(じゅんまいだいぎんじょう かいこう おもい)

◎この蔵のスタンダード

純米大吟醸 邂逅 思(じゅんまいだいぎんじょう かいこう おもい)

720ml/2,700円、1.8L/5,000円

契約農家が栽培した「高嶺錦」を60%の精米歩合で使用。原酒を蔵でひと夏熟成させて生詰した1本。純米吟醸らしい上品な香りと奥行きある米のうま味が魅力。

飲み方/冷や、常温、ロック

2004年から販売を開始した、この蔵の最高クラスの1本。五百万石を原料にした原酒で、仕込み後瓶詰めし、火入れ。1年間蔵で熟成させてから出荷している。

猪又酒造猪又酒造(いのまたしゅぞう)
糸魚川市新町71-1
025-555-2402

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