【新潟 器 歳時記】長岡市 陶 岡�ｱ

新潟の地で作られる器を季節の料理とともにめぐる連載。第17回目は長岡市で作陶を行っている「陶 岡�ｱ」の器です。

テーブルに置いた瞬間 真の美しさを発揮する器

厚みのある真っ平らな銘々皿に、ラッパ型の小鉢、長い注ぎ口が付いた片口。銘々皿、小鉢、片口、どれもよく使う器なのに、見たことのないデザイン。

でも決して過度な意匠ではなく、何気ない普段の料理をちょっと小粋に見せてくれる。そして、テーブルに並べると、料理と器の良さが一層引き立つ。なぜか。

作陶家の岡�ｱ宗男さんは大の料理好き。陶芸の道に進むきっかけとなったのも、自分で作った料理を盛り付けるための器探しからだった。

「例えば大きな鉢なんかは、用途的にテーブルの真ん中に来る器だから、高台を高めに作って。高い方がかっこつくでしょ。料理を盛り付けてテーブルに並べた時、料理が華やかに、ごちそうに見えるようにね。もちろん、使いやすさや収納のしやすさも大事にしているけど、機能ばかりにとらわれないように、料理が映える器作りを心がけているかな」。

益子の窯元で器作りの基礎を学び、修業を積んだ後、２００８年に長岡市で築窯。この道33年、培ってきた経験で窯の温度や焼成中の酸素量などをコントロールし、偶然の産物ではない作品を作り続けている岡�ｱさん。陶芸への情熱も深く、知識も豊富。そして、とても気さく。

６月4日（土）〜６日（月）、長岡市で開催予定の長岡クラフトフェアに出店が決まっている。ぜひ岡�ｱさんのお人柄に触れながら、日々の料理をごちそうに変える器に出会ってほしい。

陶 岡�ｱの器の数々

作陶家Profile
岡�ｱ宗男さん／魚沼市出身。1989年、益子にある株式会社つかもと（つかもと窯）に入社。退社後、ゆみ陶、和田窯で修業し、2008年に築窯。現在は作品作りに加え、金継ぎや焼き直しなど、器のメンテナンスも引き受けてくれる。

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photo：中田洋介 ＜中田写真事務所＞